「AIが稼いだお金を人間に分配する。」
それがChatGPTの開発者サムアルトマンの構想です。
そしてその構想の第一歩となるWorldcoin App が、7月24日にローンチされました。
Worldcoin とはなんなのか、本当にAIの稼ぎを人間に分配できるのかを知るため、Worldcoin のホワイトペーパーを翻訳しました。
また、ただ翻訳するだけではわかりにくポイントは、箇条書きで要約を入れています。
Worldcoin の参加者になるか、それともしばらく様子を見てみるか、考える材料としてお役立てください。
Worldcoinとは
Worldcoinは、人類の大多数が所有する、グローバルに包括的なアイデンティティと金融ネットワークを構築することを使命として設立された。Worldcoinが成功すれば、経済的機会を大幅に拡大し、プライバシーを守りながらオンライン上で人間とAIを区別するための信頼できるソリューションを拡大し、グローバルな民主的プロセスを可能にし、AIが資金を提供するUBIへの潜在的な道を示すことができる。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
Worldcoinは、プライバシーを公開せずに「私は人間です」と証明できる仕組みになる。
「私は人間です」と証明できるって、なんの意味があるの?
OpenAI社のサムアルトマン氏には「AIが稼いで、人間に利益を還元する」っていう構想があるんだ。その構想の実現のために人間であることを証明しなきゃいけないんだよ。
それはすごい!でも、それって実現できるの?
「できるわけがない」と考える人が多い中、実現に向けて踏み出した具体的な一歩が Worldcoin ってとこかな。
Worldcoinは、個人であることの証明に基づいて構築されたプライバシーを保護するデジタルIDネットワーク(World ID)と、法律が許す限りデジタル通貨(WLD)で構成されている。すべての人間は、人間であるというだけでWLDの分け前を得る資格がある。World IDとWLDは現在、Tools for Humanity (TFH)の貢献者チームによって開発された、World IDとWorldcoinプロトコルの最初のフロントエンドであるWorld Appによって補完されている。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
- 人間であればデジタル通貨(WLD)を受け取れる
- 人間であることを証明する World ID はプライバシーが保護されている
- World ID と WLD は現在 World App で管理されている
人間だと証明して World ID を取得したら、だれでもデジタル通貨を受け取れるってこと?
そうだね。現在のところ World App で必要な手続きを済ませることでその証明ができるようになっているよ。
「個人であることの証明」とは、ワールドコインのコアとなるアイデアのひとつであり、個人が人間であり、かつユニークであることを証明することである。ひとたび証明されれば、その個人は、現実世界での身元を明らかにすることなく、自分が実在の人物であり、別の実在の人物とは異なることを主張できるようになる。
今日、個人であることの証明は世界規模では未解決の問題であり、オンラインでの投票や大規模な価値の流通を困難にしている。ますます強力になるAIモデルが、人間とボットを区別することの難しさをさらに増幅させるため、問題はさらに切迫している。Worldcoinの一部として成功すれば、World IDは世界的な人物証明の標準になるかもしれない。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
- 人間の個人であると一度証明すれば、その後個人情報を公開しなくても人間だと証明できる
- 人間であるという証明は、現在世界規模で未解決の問題
- 人間とボットが区別できればオンライン投票や価値の流通が進むかも
人間であるという証明ってなんでそんなに重要なの?
人間かどうかわかれば、Botなどのプログラムを使った不正を防げるから、オンラインでもっと多くのことができるようになるんだよ。
へぇ、僕は単純にお金が欲しいから World ID に興味があるけれど、それで世界の課題も解決できるなら一石二鳥だね。
Worldcoinの背後にある中核的な前提には、次のようなものがある:
- 人であることの証明は、欠けていて必要なデジタル原始的要素である。このプリミティブは、ますます強力なAIモデルが利用可能になるにつれて、より重要になる。
- スケーラブルで包括的な人称の証明は、ネットワークに本物の人間を追加することで、すべてのネットワーク参加者のインセンティブを調整することを初めて可能にする。ビットコインはビットコインネットワークを保護するために発行される。WorldcoinはWorldcoinネットワークを成長させるために発行され、セキュリティはイーサリアムから継承される。
- AIがますます強力になっている現在、グローバルな人物証明を発行する最も信頼性の高い方法は、カスタム生体認証ハードウェアです。
以下のダイナミックなホワイトペーパーでは、プロジェクトの実装の背景となる理由、そして現状とロードマップを共有している。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
- AIが協力になると「人間であることの証明」はより重要になる
- すべての人が人間であると証明されたWorldcoinのネットワークが完成して初めて公平なインセンティブを設計できる
- 現在最も信用できる「人間であることの証明」は生体認証のハードウェアだ
なんとなく見えてきた。人間だと証明して、人間にだけデジタル通貨というインセンティブを渡すんだね。
その通り。協力なAIが出てきてもインチキさせないために、ハードウェアによる生体認証がいまのところ最善だということだね。
World IDとは?
ワールドIDは、プライバシーを保持した人間性の証明である。Orbと呼ばれるカスタム生体認証デバイスにより、ユーザーはゼロ知識証明を通じてプライバシーを維持しながら、オンラインで人間性を証明することができる。Orbは、カスタムバイオメトリックハードウェアが、AIが安全な人称証明を発行するための唯一の長期的に実行可能なソリューションかもしれないという認識に基づいて設計されています。World IDはWorldcoinプロトコルで発行され、ゼロ知識証明によってプライバシーを維持しながら、個人があらゆる検証者(Web2アプリケーションを含む)に対して人間であることを証明することができる。将来的には、このプロトコル上で他のクレデンシャルも発行できるようになるはずだ。
つまり、ワールドIDは発行された個人によってのみ使用されるべきである。つまり、ワールド ID は発行された個人によってのみ使用されるべきである。ワールド ID クレデンシャルを盗んだり取得したりした詐欺師が使用することは非常に困難でなければならない。さらに、紛失または盗難されたワールド ID を個人が再び所有することは常に可能でなければならない。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
- World ID は人間であることを証明したID
- Orbと呼ばれる生体認証デバイスで登録する
- World ID は詐欺にされてはならず、紛失したり盗難にあっても本人なら再度所有できるようにしなければいけない
Worldcoin と World ID ってなにが違うの?
WorldID はIDそのものを指していて、Worldcoin は World ID や普及されるデジタル通貨を含めたネットワーク全体の名称を指すよ。
Worldcoin Token
ネットワーク効果は、最終的には金融とアイデンティティのインフラストラクチャの上に構築される有用なアプリケーションによってもたらされるが、トークンはネットワークの成長に合わせてインセンティブを調整するために、すべてのネットワーク参加者に発行される。これは、ネットワークをブートストラップし、「コールドスタート問題」を回避するために、初期段階において特に重要である。これにより、ワールドコイントークン(WLD)は最も広範な分散型デジタル資産となる可能性がある。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
- Worldcoin は最終的に金融や人間であることの証明のアプリまで構築される
- 最初はインセンティブがなければ参加者が集まらない
- そこでWorldcoin Token をインセンティブとしてすべての参加者に配布する
Worldcoin Token は Worldcoin に参加してもらうための仕掛けってこと!?
そういうことだね。
それってなにか、余計に高い出費になったりするんじゃないの?ほら、タダより高いものはないって言うしさ……。
その可能性もあるけれど、多くの人が使ってネットワークが形成されたらもう抗えないだろうね。今更スマホを持たない状況に戻れないような、ネットワークの効果があるのさ。
World App
World AppはWorld IDの最初のフロントエンドであり、Orbとの検証を通じて個人をガイドし、個人のWorld IDクレデンシャルを保管し、プライバシーを保護する方法で第三者とクレデンシャルを共有するための暗号化プロトコルを実装する。これは、グローバルな分散型金融インフラへの摩擦のないアクセスを提供するように設計されている。最終的には、World IDを統合した様々なウォレットが登場するはずです。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
- World App は Worldcoinネットワークへの最初の入り口
- グローバルな分散型金融へのアクセスをスムーズに行える
- 最終的には多くの異なるウォレットが World ID を統合することになるだろう
言ってることが難しいな…
World App はインセンティブを受け取れるだけじゃなくて、ゆくゆくは分散型金融でガッツリ使えるように設計されているってことだね。
まだ難しいよ。もっと簡単に説明できない?
未来のネットで、グローバルに買い物や金融ができるようになるときも、Wold App は使いやすいように設計されているよってとこかな。
Worldcoinの仕組み
ワールドコインは、プライバシーを保護するグローバル・アイデンティティ・ネットワークであるワールドIDを中心に展開される。World IDを使用することで、プロトコルと統合されたプラットフォームに対して、個人が実在するユニークな人間であることを証明できるようになる。これにより、公正なエアドロップが可能になり、ソーシャルメディア上のボット/シビル攻撃からの保護が提供され、限られたリソースの公正な分配が可能になる。さらに、World IDはグローバルな民主的プロセスや新しい形のガバナンス(例えば、二次投票による)を可能にし、最終的にはAIが資金を提供するUBIへの道をサポートするかもしれない。
Worldcoinプロトコルに参加するには、まず個人がWorld IDの作成をサポートする最初のウォレットアプリであるWorld Appをダウンロードする必要がある。個人はオーブと呼ばれる物理的な画像処理装置を訪れ、ワールドIDのオーブ認証を受ける。ほとんどのオーブは、オーブ・オペレーターと呼ばれる独立した地元企業のネットワークによって運営されている。Orbはマルチスペクトルセンサーを使用して人間性と独自性を検証し、Orb検証済みのワールドIDを発行します。すべての画像は、デフォルトでデバイス上で速やかに削除されます(データ管理への明示的な同意がない場合)。
A New Identity and Financial Network (Deepl翻訳)
- WorldcoinはBotやシビル攻撃を避けて、限られたリソースを人間に分配できるようにする
- 最終的にはAIの稼ぎを人間に分配できるようになるかもしれない
- Orbで登録する際の画像は、デバイス上で速やかに削除される
AIの稼ぎを人間に分配するのって「できるかもしれない」のレベルなんだね。
そこは僕もちょっと驚いた。AIが稼いで人間に分配するまでにはかなり長い道のりがあるんだろうね。
Worldcoinの可能性
ワールドコインは、普遍的にアクセス可能な分散型の金融およびIDインフラを通じて、場所に関係なく誰もがグローバルなデジタル経済に参加できる未来を推進することで、世界的な機会の平等を大幅に向上させることができる。ネットワークが成長すればするほど、その実用性も高まるはずだ。
今日、デジタル領域における多くの相互作用は、グローバルには不可能である。人間がインターネット上で価値を取引し、自分自身を識別し、交流する方法は、根本的に変わる可能性が高い。金融とアイデンティティへの普遍的なアクセスがあれば、次のような未来が可能になる:
ここからは、Worldcoinが普及した先の未来や、可能性について解説されているよ。
ベーシックインカムだけじゃない、別の可能性もあるんだね。
金融
デジタルマネーの所有と送金: 送金はほぼ瞬時に、ボーダレスに、世界中で行われるようになる。誰もが利用できる。世界は経済的につながり、誰もがインターネット上で経済的に交流できるようになる。インドを支援するために世界中の個人から短期間に4億ドル以上が集まったCOVID救済基金は、何が可能かを示唆するものだ。全体として、これは人類史上かつてない規模で人々をつなぐ可能性を秘めている。
デジタルマネーは、盗まれたり偽造されたりしやすい現金よりも安全だ。これは、ウクライナ難民危機のように、国境を越えた金融取引を即座に行う必要がある危機的状況において特に重要である。さらに、デジタルマネーは第三者を信頼することなく、個人が直接所有し管理できる資産である。
- 送金は世界中に対して瞬時に行えるようになる
- 国境を越えた金融取引を即座に行いたい機器的状況にも対応できる
- デジタルマネーなので個人が直接資産を所有し管理できる
世界中で金融取引ができると言われてもピンと来ないや。
デジタルマネーのすごさを僕らが実感するのは、もうちょっと先かもね。
アイデンティティ
ボットを排除する ツイッター上のボット、スパムメッセージ、ロボコールはすべて、健全で摩擦のないデジタル・アイデンティティの欠如の症状である。これらの問題は、CAPTCHAを解き、説得力のある “人間 “のコンテンツを作り出すことができる、急速に進歩するAIモデルによって悪化している。サービスがこのようなコンテンツに対する防御を強化するにつれて、個人であることを証明するための包括的でプライバシーを保護するソリューションが公共インフラとして利用できることが不可欠になる。すべてのメッセージやトランザクションに「人間であることが確認された」プロパティが含まれていれば、デジタル世界から多くのノイズがフィルタリングされる可能性がある。
- Botやスパム、ロボコールはデジタル・アイデンティティが欠如している状態
- 急速に進化するAIで状況はさらに悪化している
- 人間であることが認証されたとわかるなら、多くのノイズをフィルタリングできる
うっとうしいスパムがなくなるのはいいね!
人間かどうかわかるのは、すごくスッキリとクリアな状態なのかもね。
政治
ガバナンス 現在、web3における集団的な意思決定は、主にトークンベースのガバナンス(1トークン1票)に依存しており、一部の人々を参加から排除し、より経済力のある人々を大きく優遇している。World IDのような信頼性の高いシビルレジスタントの証明は、web3だけでなく、インターネットにおけるグローバルな民主的ガバナンスメカニズムのデザイン空間を開く。さらに、AIが選ばれたグループだけでなく、すべての人間に最大限の利益をもたらすためには、そのガバナンスにすべての人を参加させることがますます重要になるだろう。
- 現在のWeb3のガバナンスは、経済力のある人々が優遇されている
- World ID はWeb3だけでなくグローバルなガバナンスでも使えるだろう
- ガバナンスにすべての人を参加させるのはますます重要になる
人間だと証明されているから政治に参加できるってことか!
一人の人間につき一票しかないなら、経済力に関係なく平等な政治ができるよね。
金融とアイデンティティの両方に関わる点
インセンティブの調整: クーポン、ロイヤリティ・プログラム、紹介プログラムなど、一般的に顧客と価値を共有することは、不正行為者にとってインセンティブが高いため、従来から不正が行われやすい。摩擦がなく詐欺に強いデジタルIDは、インセンティブを調整し、消費者と企業の双方に利益をもたらす。これによって、ユーザーの一部が所有する企業の新しい波が生まれる可能性さえある。
不正をすると得をしてしまう現状を変える
人間であることの証明で、どうやって不正を防ぐの?
架空のアカウントを作って紹介を偽造したり、クーポンを何度も受け取ったりするような不正はすぐにできなくなるよね。
あぁ!一度受け取った人は受け取れないようなサービスとは相性がいいんだね。
乏しい資源の平等な分配: 補助金や社会福祉を含む現代社会の重要な要素は、本人であることの証明を用いることで、より公平に提供することができる。これは特に発展途上国において適切であり、社会的給付プログラムは、資源の捕捉(その人の公平な取り分以上の資源を獲得するために使用される偽の身分証明)の問題に直面している。2021年、インドはバイオメトリクスに基づくシステムを導入し、不正を減らすことで、補助金プログラムにおいて50億ドルを節約した。非中央集権的な人称証明プロトコルは、同様の利点を世界中のあらゆるプロジェクトや組織に拡大することができる。AIが進歩するにつれ、UBIを通じてアクセス権や創出された価値の一部を公平に分配することは、経済力の集中に対抗する上でますます重要な役割を果たすだろう。世界IDは、各個人が一度だけ登録することを保証し、公平な分配を保証することができる。
- 補助金や社会福祉をより公平に提供できる
- 公平な取り分以上に獲得する偽装の問題を解決する
- 各個人がひとつだけのIDを持っていれば公平な分配を保証できる
これが話題の、AIの稼ぎを人間に分配する仕組みの話だね。
そうだね。誰かが不正に多く受け取ったりできないためにも、世界の人類全員が登録される状況が理想になるね。
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